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【EMS/ODM】AIサーバー受注がEMSにもたらす利益は? 大手6社の収益構造分析 DIGITIMESレポート
2026-08-21 10:08:11
調査会社DIGITIMES Researchは2026年8月17日、台湾系EMS(電子機器受託製造サービス)・ODM(Original Design Manufacturer=設計・製造の受託)大手6社の2026年第2四半期(4~6月)決算についての分析レポートを公表。2025年同期比で売上総利益率が改善したのはウィストロン(Wistron=緯創)とペガトロン(Pegatron=和碩)で、残る4社はいずれも低下したとした上で、EMS・ODM主要6社にとって、AI(人工知能)サーバーが業績の主要な成長エンジンになっている一方、「いかにして売上高の成長と売上総利益率を同時に維持するか」が共通の課題になっているとの見方を示した。


レポートでDIGITIMESは、AIサーバーにおいてGPU、CPU、HBM(広帯域メモリ)、高速ネットワーク部品等のコスト構成比が上昇しているのに伴い、EMS・ODM各社では分母となる売上高が急激に拡大していると指摘。一方で、AIサーバーが本格的な量産出荷段階に入る中、製品ラインナップ、量産の成熟度、費用管理、事業規模、サプライチェーンの統合力といった要素が、各社が売上高を「実際の利益」に変える力を左右し始めていると指摘した。

各企業についての分析では、まずフォックスコン(FOXCONN=鴻海精密=ホンハイ)について、26年第2四半期の売上高が約2兆5200億NTドル(1NTドル=約5円)に達し、前年同期比で41%増の成長を見せた中、営業利益は68%増と、売上高を上回る伸びを示したと指摘。売上総利益率は6.12%で、2025年同期の6.33%から0.21ポイント低下したものの、営業利益率は3.16%から3.75%へ約0.6ポイント上昇したとし、クラウドネットワーク製品やAIサーバーラックの急成長によって売上総利益率が希薄化する影響が同社にも及んでいるものの、売上げ規模の拡大による営業レバレッジや業務効率の改善が、その一部を吸収したと評した。

クアンタ(Quanta=広達電脳)については、26年第2四半期の売上高が四半期ベースで初めて1兆NTドルを突破し、前年同期比で2倍超に拡大した中、売上総利益率は5.02%で、7.05%だった前年同期に比べ2.03ポイント低下、営業利益率も前年同期の4.05%を下回る3.30%に下落する等、利益率の希薄化が比較的目立つ企業だと指摘。ただ、同社では、新製品への切り替えが徐々に一巡し、出荷規模も拡大していることから、売上総利益率は26年第1四半期(1〜3月)から改善しており、製品切り替えや量産立ち上げ初期に生じた影響は収束しつつあるとした。

ウィストロンについてDIGITIMESは、2026年第2四半期の売上総利益率と営業利益率がともに改善したと指摘。具体的には、売上総利益率が前年同期の4.44%から5.66%へ1.22ポイント上昇、営業利益率も1.96%から3.74%へ1.78ポイント上昇したとし、この変化は、AIサーバーがODMの売上総利益率に与える影響が固定したものではないことを示すもので、製品が成熟し、量産段階に入れば、初期段階で希薄化した利益率が再び上昇する余地はあると評した。

コンパル(Compal Electronics=仁宝電脳)については、26年第2四半期にはAIサーバーがサーバー売上高全体の約70%を占め、現在もAIサーバー事業を急拡大しているとする一方、メモリ等の部品価格上昇による影響で、売上総利益率は約4.6%と、2025年同期の5.9%を下回った他、営業利益率も前年同期の約1.5%から約1.2%に低下したと紹介。今後、AIサーバーの量産効率をどこまで同時に高められるかが、サーバー事業の売上高成長を営業利益率の改善につなげられるかどうかのカギになるとの見方を示した。

インベンテック(Inventec=英業達)については、26年第2四半期の売上高は前年同期比44.6%増となったものの、AIサーバーの製品ラインナップの変化と部品価格上昇の双方が収益構造に影響したとし、売上総利益率は4.23%で、2025年同期の5.09%から0.86ポイント低下、営業利益率も1.76%で、前年同期の1.95%から0.19ポイント低下したと紹介。売上総利益率と営業利益率がいずれも前年同期を下回った一方、税引後利益は約80%増加して、四半期ベースの最高だったことは、AIサーバーが急速に量産を拡大する局面では、利益率の低下と利益の金額の増加が必ずしも相反するものではないことを示すものだとした。

ペガトロンについては、26年第2四半期の売上総利益率は25年同期の3.13%から4.43%へ上昇、営業利益率も0.55%から1.53%へ改善したと指摘。ただ、今回の利益率改善をAI事業だけに帰することはできないとし、為替変動や、コンシューマ向け電子機器の需要低迷、製品ラインナップ調整等の影響を受けて主力事業の利益水準が低かったのを背景に、今回の利益率改善をとりわけ大きく見せたきらいがあるとした。

DIGITIMESの伝えた台湾の業界筋は、「AIサーバー市場は、これまでの『受注があるかどうか』という段階から、『受注した案件からどれだけ利益を残せるか』を問われる段階に入った」とし、重要なのは、利益率が圧迫された後も、規模の経済、費用管理、サプライチェーンの付加価値によって営業利益を持続的に伸ばせるかどうかだと分析。さらに、設備投資が高水準に達し、売上高が大幅に増加した後、それがキャッシュフローの成長につながるかどうかも、各社の経営力を測る重要な指標になるとした。

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